会長挨拶
全国教育関係神職協議会(全教神協)の公式サイトにようこそお越し戴きました。令和三年八月より会長を務めております、寳來扶佐子と申します。
当会は神社にとっては過酷とも言うべき、敗戦後の混乱の中から生まれました。先人たちによって多くの苦難を乗り越えながら発展を重ね、令和三年で発足より六十年を迎えました。当サイトはそれを記念するとともに、更なる活動の拡大を期して設置したものです。
六十周年を迎えた今、私たちは新たなる試練の時代を迎えていると感じております。私たちの先輩諸兄である神職は、日本人の精神を解体すべく実行された、敗戦による占領政策の呪縛から脱却すべく、精魂を傾けてきました。そして今、国際関係の緊迫や新型感染症の世界的な蔓延が私たちの前に立ちはだかっています。特に後者は、生命や生活を脅かすだけではなく、文化や風習、そして大切な子どもたちの教育機会や精神面をも冒しています。人との交流や地域での活動なども大幅に制限されることによって、伝統や文化の継承が停滞する恐れが予測されます。このような未曾有の災厄の中であっても、神社と教育の両面を担う私たち全教神協は、幾多の困難に立ち向かった先人たちに倣いつつ、組織の充実と会員拡充に力を入れ、これからの日本の教育を真摯に考えてゆくことが肝要だと考えております。
当会の活動も感染症の影響を受け、集会や講演会の開催は難しい状況であると言わざるを得ません。そのような中、公式サイトの設置は大きな意味があると思っております。当会の意義・目的・歴史・会務運営の予定などは勿論、全国の会員様からの提言や報告を掲載して参ります。新たな「繋がる」手段を確保し、人的交流の可能性を見出しつつ、私たちの為すべき事を認識し、共有出来ることの素晴らしさを会員各位、また当サイトを閲覧された方々と共有致したく存じます。
私達神職はひたすら神明に奉仕し、祭祀の厳修を通して地域と人々を繋ぐ存在です。地域の歴史や風習を次代に伝える教師とも云えます。御社頭から、日本の心や言の葉を言挙げすべきと思います。『取り戻そう、日本の心と誇りを』の精神をここに掲げ、御挨拶と致します。
(大阪府・福島天満宮 宮司)
全教神協のなりたち
昭和27年(1952)4月28日、日本はGHQによる占領から独立を果たしましたが、敗戦以来6年以上にもわたる占領期間において、日本人の価値観は大きく様変わりしてしまいました。それは教育において特に顕著であり、戦前の日本はすべてが悪であったと断定し、先人の考え方や道徳観が否定されてしまいました。
日本はその後、経済復興を遂げ物質的に豊かな国になりましたが、個人の利益ばかりを追求した結果、家族の絆をはじめ他人や社会のために働く心、国や公のために尽くす心といった、大切なものの多くを忘れてしまっています。
全教神協のはじまりは、日本の独立後間もない昭和29年(1954)、神社本庁が戦後の偏向した教育を是正しなければ真の国家の復興はありえないと、神明奉仕のかたわら教育に携わっている神職の活躍に期待し、その代表を集めて講習会を開催したことにあります。その後、毎年この講習会が開催され、教育関係神職の自主的な組織が必要との気運が盛りあがり、昭和35年(1960)、全国神職兼務教職員協議会という名称で本会が結成されました。
その後、昭和39年(1964)に神社本庁の特別関係団体に指定され、翌昭和40年(1965)には会名を「全国教育関係神職協議会」と改め、現在に至っています。
主な活動
戦後、さまざまな分野において我が国の美風が失われて久しく、それは教育界も例外ではありません。本会は、神道の心をもって日本人の誇りを再発見し、日本に相応しい教育の振興をはかるべく、教育のあり方について分析、提言、発信の方法を追求しています。
全教神協は発足以来、全国大会と中央研修会を開催し研鑽に努めています。そのほかにも研修会などを通じて、教育正常化に向けた研究および諸活動を行っています。
地方組織の活動
全国組織である全教神協の下に、各都府県単位の「教育関係神職協議会(教神協)」があり、活動を行っています(未組織の道県もあります)。教神協はそれぞれ各都府県の神社庁にも属しています。
また全国を9のブロックに分け、各ブロックごとに研修会などそれぞれ独自の活動を行っています。各ブロックの代表が常任理事となり、全教神協の運営にあたっています。